本日24日はビットコインにとって記念すべき日となるSegWitのアクティベート日となります。#481,824ブロックよりアクティベートとなり、現在はウォレットや取引所などの対応期間となる2016ブロック(約2週間)ロックイン期間となっています。
1.SegWitはいつビットコインに実装されるのか?
ブロック生成時間はマイニングの採掘レートを金などの希少価値の高い金融商品に近似させるため半減期と約10分というブロック生成時間が決められています。
現在は#481806ブロックであるため、SegWitまで18ブロックとなり、約3時間後の#481,824ブロックからSegWitを使用可能となります。残念ながら日本時間では昼前後となるためほとんどの方は仕事中となるでしょう。
2.SegWitアクティベート後どうなるのか?
SegWitが最初に提案されたのは2015年12月21日でビットコインコアデベロッパーPieter Wuillie氏からでした。約1年後2016の2016年11月18日にソフトフォークによる導入のためシグナリングを開始、ターゲット期間は20期間(1期間2016ブロックの2週間)を費やし遂にSegWit実装目前となりました。
BlockstreamのCEO Adam Back氏なども賛同していたBIP-101(2年毎にブロックサイズを2倍にする)はハードフォークが必要となり、ネットワーク分裂の可能性とブロック伝達レイテンシーによるセキュリティの問題があるためトランザクション圧縮というスケーリング解決方法を模索してきました。
2-1.SegWitは理論上4倍のブロックサイズ
マイナーは通常、政治的または悪意あるネットワーク攻撃の目的がない限り手数料の高いトランザクション順に次のブロックにトランザクションを追加していきます。現在はブロックサイズが1MBであり、SegWitアクティベート後1MBのブロックサイズは変わりません。ですがSegWitは
「1byteごとの署名を0.25byteで最小のブロックサイズリミットとし理論上最大4MBとする」
という特性を持っており、同じブロックサイズで4倍のトランザクションをブロックに含めることができます。実利用は2倍程度が目安となるため、単純に2倍のトランザクション処理能力と考えることができ、更にトランザクションの混雑も解消されるため手数料も安くなります。
2-2.ユーザーがSegWitを使用するには?
現在のロックイン期間では取引所やウォレットが対応を行っているためユーザーは特に対応を行う必要はありません。ハードウェアウォレットなどの場合はファームウェアのアップデートなどの指示が来たら従ってください。
未送金トランザクションを貯めるMempoolにあるトランザクションも同様で、SegWitアクティベート後のブロックの仕様変更であるため必要はありません。
3.価格への影響
ビットコインのSegWitロックイン時、価格は数分で1万円上昇を記録、更に39万円前後であった現物価格は50万円へと達し数日で大きな影響を記録しました。これはライトコインも同様でしたが、SegWit導入後に価格上昇はしたものの続かず一時下落しましたがアクティベート後から2倍の価格へと高騰しています。
ビットコインベースのアルトコインといえど、ビットコインとは違い、仮想通貨の主軸であるビットコインの長年の問題であったスケーリング問題の一時的解決はとても大きな影響を及ぼすでしょう。
4.ライトニングネットワークとSegWitの大きな関係性
ビットコインは次にレイヤー2と呼ばれるオフチェーンの高速ペイメントチャンネルのライトニングネットワーク開発が行われています。元々はSegWit導入が前提でした。
ライトニングネットワークはペイメントチャンネルという特殊な取引チャンネルを開きます。このチャンネルには5日間という制限があり、継続して使用するにはユーザーはトランザクション手数料を支払い再度ペイメントチャンネルを開く必要がありました。
ライトニングラボの創設者Olaoluwa Osuntokun氏によると
「SegWitはライトニングのペイメントチャンネルの5日間という制限をなくし、そのチャンネルを永遠に開くことを可能とします」
と述べています。
この様にSegWitは送金手数料やTPS(秒間のトランザクション処理)能力を上げるだけでなく、ビットコインにとって大きな一歩であり、重要な通過点となっています。
またビットコイン開発を行っているビットコインコアがSegWit2xを排除したため2017年はビットコインに取って大きな節目となるでしょう。詳細は下記記事を参照してください
詳細は下記記事を参照してください。