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ビットコインに今年に入る前から携わっていたユーザーにはお馴染みだった中国がリードするビットコイン市場。これはPBoCのビットコインへの加熱した投資によって元の価値を心配した中華人民銀行(People Bank of China 以下PBoCとする)によりレバレッジ取引と信用取引を禁止するという規制を行ったことによるためである
速報:HuboiとBTCCが信用取引を廃止OKはレバレッジは1倍のみでこれ以上の取引によるフェイクはなし #bitcoin #ビットコイン $btc #ブロックチェーン #フィンテック #暗号通貨 #仮想通貨 https://t.co/mZVOfNKOQ9
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) January 13, 2017
またこれだけではなく中国政府によるビットコイン規制は更に厳しいものになり、2月に入り引出しも停止。これは現在も続いており約4ヶ月もの間中国マネーがロックされている状態となっています。この2つの発表により引き起こされた暴落をPBoCショックと呼ばれています
超速報:中国の三大取引所OKcoinとHuboiがビットコインとライトコインの引き出しを1カ月停止 #bitcoin #ビットコイン $btc #ブロックチェーン #フィンテック #暗号通貨 #仮想通貨 https://t.co/43eRfPE8pN
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) February 9, 2017
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目次
1.現在のビットコインの中国事情
2017年5月に入り、中国の有名メディアの財新がPBoCの動向について新たな報道を行いました。またこのニュースには6月に新たな仮想通貨の規制を指す言動があり、6月に制定後に仮想通貨の引出しが可能になるのではないか?との声が高まっています。
超速報:中国メディア財新によると中国の取引所はAML(マネロン対策)が不十分で、違法に貸し付けを行なったとし、行政処分を行う。新たな規制制定後引出し再開されるがいつ停止されるかわからない懸念が残る #ビットコイン #Bitcoin #仮想通貨 #フィンテック #ブロックチェーン https://t.co/C2WdA0U9cK
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) May 11, 2017
今回イーサリアムジャパンは最高国家行政機関の直属事業の中国科学院に務めるDr. Eric Zhao氏に現在の中国のビットコイン事情について詳しくお話を伺いました。
*補足:中国科学院は数学物理や医学、情報工学を研究しネイチャーのランキングでハーバード大学を超え、世界一となった経歴がある中国における最高研究
1-1.中国投資家達は未だビットコインに興味があるのか?
PBoCが中国の三大取引所のOKCoin、BTCC、Huobiに対し1ヶ月に及ぶ立ち入り検査を行った際のビットコインの暴落の際USDとCNYのペアはそれに合わせるように高騰しました。1月、2月と続いたPBoCショックにより中国の投資家達はこぞって元や金などの資産に避難しその結果の大暴落を引き起こしました。
©investing.com
Eric氏はこの件についてポジティブな意見を下記の様に述べています。
「中国のビットコインユーザーはPBoCによる三大取引所への行政処分という大きな制裁にも関わらず、未だに関心を抱いている。また今回のPBoCの新たな規制の明確化は長期的に見て重要なことであり、取引所は政府の動向のお伺いを立てて慎重にサービスを提供する必要なくガイドラインを守ることによってイノベーションに集中できる」
としています。これはイーサリアムがスパムアタックを受けプロトコルレベルのバグが露見し、本来必要のないハードフォークを行わなかればならなくなった件と類似しています。実際のイーサリアムネットワークはより強固なものとなり、最低価格から実に10倍にも高騰しました。
1-2.ビットコインネットワークを支える中国人マイナー
ビットコインネットワークはマイナーによるハッシュレートにより維持されています。このハッシュレート分布を見ると中国が大きな割合をしめていることがわかります。
画像
ハッシュレート率1位のAntpoolは中国のマイニング機器のASICを販売するBitmain所有のマイニングプールであり、現在のビットコインネットワークの抱える問題の一つとなっています。
マイニングプールの件は下記を参照してください。
1-2-1.ビットコインマイニングが中国で盛んな理由
非中央集権により政府に依存されないという点が自由思想の人々に受け入れられた経緯もありますが、ここではコスト面について触れていきます
1-2-1-1.マイニング用ASIC “Antminer”によるマイニングコスト
ビットコインのマイニング用ASICを開発し、世界の70%シェアを誇るBitmain社によるAntminerシリーズにてマイニングコストを比較してみます
1kW/hの電気代 Antminer S9
14TH/s (1,372W)Antminer T9
12.5TH/s (1,576W)Antminer R4
8TH/s (854W)Antminer L3+
504MH/s (800W)
中国 約4円 131.712円 151.296円 81.984円 48.384円
インド 約7円(最安0.1円) 230.496円
264.768円
143.472円 84.672円
アメリカ 約12円 395.136円 453.888円 245.952円 145.152円
アフリカ 約15円 493.92円 567.36円
307.44円 181.44円
イギリス 約22円 724.416円 832.128円 450.912円 266.112円
ドイツ 約25円 823.2円
945.6円 512.4円 302.4円
日本 約30円 987.84円 1134.72円 614.88円 362.88円
デンマーク 約33円 1086.624円 1248.192円 676.368円 399.168円
1kW/hあたりの電気代の最高額はデンマークの33円で、現在の最安は中国で4円となっています。最も人気なAntminer S9を14TH/sで動かし続けたとして日本と中国では1日に7倍以上のコストの差が出るため、中国がなぜマイニング大国かがわかると思います。
*補足:この電気代はハッシュレート、気温、電気代は固定の物とします。また日本は3段階料金(使用する電気量によって変動する)があり最高額に設定しています。
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電気代を支払うことでビットコインが貰えるのはCoincheckだけです。
1-2-1-2.中国人マイナーの現在のリスク
上記の様に1日のコストが低く、広大な土地があるためビットコインマイニングが盛んですがASICの所有する台数が他国と桁違いに違い、数え切れないほどのASICを所有し、圧倒的ハッシュレートでビットコインのブロックをマイニングしています。
中国遼寧省にあるの長城で1番のマイニング施設で、これは多くのユーザーがハッシュレートをシェアしマイニングするマイニングプールとは違い個人でビットコインをマイニングしている秘密の施設の一つです。
この中国人マイナーは6つのプールを所持し、取材が行われた当時でビットコインネットワークの3%のハッシュレートを締めています。また夏季は温度が100度にも達するため冷却に業務用のファンを12台必要とし、3000個のAntminerを有しています。
電力消費量は1,250kWhでこのASICを動かし続けるには月に8万ドル、日本円にして実に約900万円ものコストが必要となります。1日にマイニングできるビットコインは20~25BTC(各プールごとに)ですが2016年に3度目の半減期を迎え、1ブロックをマイニングすることで得られる報酬は12.5BTCとなっています。
更にセキュリティの問題で24時間365日誰かがマイニング工場の管理をする必要がありコストは馬鹿にならないことがわかります。現物をマイニングし1ヶ月に最低でも900万円以上のコストを回収する必要がありますが、ビットコイン現物引出しはできず売るというインセンティブが圧倒的に強いため中国のビットコイン価格はドル価格との大きな乖離をしている現状です。
1-2-2.PBoCのマイナーに対する見解
もし中国政府がマイナーに対し規制を行った場合何らかの理由で完全に採算が取れない場合は月900万というコストを維持する必要性がなく、今までの高騰によりASICの初期投資を回収してる場合はマイニング撤退も考えられるでしょう。
これに対しEric氏はイナーに対しては特に規制はなく、ドルやユーロに換金したとしても実害はないためネットワーク維持自体には問題がないであろうとしていますが
「大口マイナーにとって現在の取引所がビットコイン引出しを許可できず、更に投資家が資金を引き出す、または維持するために売られることによって引き起こる低価格により大きな損失が続いているという現状は芳しくない。」
と述べています。ですがこれは全てのマイナーに対して言えることではなく、ビットコインの様な国際送金に壁のない通貨はドルやユーロに資産を逃がすことが可能であり、世界中にビットコインが分散していると思うとEric氏は補足しています。
2.中国によるイーサリアム高騰要因
Eric氏は6月に新たなビットコインに対する法案が施行されるという報道に対し、その後ビットコインをユーザーが引出し可能となるのではないかと考えています。
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2-1.中国三大取引所はイーサリアムを上場する?
中国の三大取引所に対する”見せしめ”とも言える行政処分は現在引出しを停止されている中国の12取引所への警告と考えていいでしょう。この警告の後BTCCのCEOであるBobby氏は下記の様にツイートしました
中国三大取引所で一番古い #BTCC は今日の #アルトコイン 高騰に伴い次に上場する #仮想通貨 のアンケートを行います。自分のサポートする #暗号通貨 に投票しましょう! #イーサリアム #Ethereum #Ripple #ライトコイン #NEM #リップル #ビットコイン https://t.co/JOufmzxPqm
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) May 12, 2017
現在アルトコイン相場はビットコイン高騰をしてもその価格と時価総額を維持しており、多くの資金が仮想通貨に流れ込んでいることがわかります。
これに伴い中国の三大取引所(OKCoin, BTCC, Huobi)もアルトコインに注目していることがわかります
Eric氏はイーサリアムの大ファンであり
「中国でビットコインの規制内容が明らかになり、PBoCが引出し許可が下りた後、三大取引所はイーサリアムを上場するのではないかと思う」
と述べています。
2-2.PBoCによりイーサリアム高騰原因となる?
中国のフィンテック事業は急激な成長を遂げており、世界240以上の国や地域に5340万人の会員を誇るオンラインマーケットジャイアントのアリババグループが提供するAlipay、中国最大手のIT企業のテンセントが提供する大人気アプリWeChatは登録ユーザーが11億2,000万人でこのユーザーが使用できるWeChatPayなどがあり、これらの新たな決済手段は銀行システムを飛躍的に進化させた理由となっています。
中国国内でのこれらの決済手段導入はとても早く、一瞬にして広まったためPBoCはどのようにしてコントロールするかに頭を悩ませている現状です。これは実際問題コントロールするのは不可能と言えるため、PBoCはパブリックブロックチェーンにより国民の資産残高、マネーロンダリングを含む不正送金の防止などに取り組むためイーサリアムベースアセットのYuan(中国元)トークン発行を検討しています。
Eric氏はこのことについて
「PBoCが実際にイーサリアムベースのトークンを作成することにより、三大取引所がイーサリアムを上場する手助けになるのではないか」
と述べています。
3.中国国内のビットコイン事情
現在仮想通貨は日本で市民権を得始めたと言っても過言ではないでしょう。もともとビットコインの名前を日本中で一躍有名にしたMount Goxが744,408BTC、現在の価格にして152億円のビットコインを失ったことをみなさんご存知でしょう。3年という長い歳月により価格が回復し、最高価格を記録したことによるものですが中国国内ではどうでしょうか?
3-1.ビットコインはポンジ・スキーム?
ポンジ・スキームとは詐欺の手口の一つであり日本語でいうとねずみ講と言い換えることができるでしょう。例としてビットコインを一定期間預け入れることにより配当を得ることができるHYIPはポンジ・スキームの一つです。
中国国内では未だにビットコインはねずみ講の一種だと思っている人が多く、今年1月の高騰により95%の批判は減少したものの未だに世間の風あたりはきいのが現状です。
3-2.ブロックチェーン技術革命による仮想通貨の一般化
また8btcという中国で最大のビットコイン、ブロックチェーンメディアで、記事のコメントの3分の2は批判で埋め尽くされ、殆どは”詐欺だ”、”政府によって保証されていない”という中国メディアは日本のメディアと同様に否定的な報道をすることをやめないとEric氏は述べています。
「中国の投資家を除く一般の人にはまだ認められておらず、市民権を得てはいないが、ブロックチェーン技術によるバブルによりいずれ人々は理解することになるだろう」
と説明しています。
4.中国取引所内にスタックしているビットコインの総量
今年2月、2度目のPBoCショックが起きビットコイン価格は大幅下落しました、この引出し無期限停止により多くの現物が12取引所内にロックされている状態です。
超速報:中国の三大取引所OKcoinとHuboiがビットコインとライトコインの引き出しを1カ月停止 #bitcoin #ビットコイン $btc #ブロックチェーン #フィンテック #暗号通貨 #仮想通貨 https://t.co/43eRfPE8pN
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) February 9, 2017
Eric氏によるとビットコインを所有する数多くの友人は現物を引き出すことができず、デポジットし価格差を利用して裁定取引をすることもできないためマイナーが現物を売りASICを維持するためのコストを稼ぐというインセンティブの結果中国の価格乖離が生まれていることがわかります
また今までの出来高を見てわかるように中国での出来高は世界でも群を抜いて多く大量の現物が取引所内にスタックしているであろうことが伺えます。
©data.bitcoinity.org
5.インターネットジャイアントGMOがビットコイン取引に参入
2017年5月24日、ついにインターネットジャイアントGMOがビットコイン取引所をローンチするのはご存知でしょう。日本のビットコイン価格がドルに比べ3000円以上のプレミアムがあり、現在も1万円近い乖離がある理由についてGMOによる現物買い上げ説が浮上しています。
速報:5月24日にビットコイン取引所をローンチする #GMO が海外でも話題となっています。一般層まで「 #仮想通貨 は儲かる」という認識がある今多額のフィアットが流入する可能性を考えたUSD期待上げが見込めそうですね #ビットコイン #Bitcoin $BTC #フィンテック https://t.co/XnANSLyDbE
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) May 11, 2017
ですが私はこの説には懐疑的であり、理由としてGMOの提供する現物取引がFXで一般的な2wayプライス表示(売り価格、買い価格を同時に表示する)を導入しているためです。bitFlyerの様な板方式ではない場合、現物を大量に所持するインセンティブは低く、カバー先を儲けることにより大量の資金を投入して暴落する可能性のある仮想通貨を買い集めるというリスクを犯す必要がないためです。
またEric氏に中国のマイナーに対し直接現物を買い付けることは可能か?という問いに対し
「中国での買い付けは可能で、例えばOKCoin.comで簡単に買うことができます。ただし数億円規模の買い付けには直接取り引きの方が価格率は高いでしょう」
と述べています。
では実際大口マイナーまたはマイニングプールに対し、コネクションを持ち買い付けることが可能であるか?と考えた際、そのコネクションを作成するまでに割かなければならない苦労を考えた場合は大手としてはカバー先を設けるという選択をとるのが一般的ではないかと考えています。
6.結論と考察
中国取引所内にはビットコイン現物の量はほとんどなく、例え中国で引出しが可能になっても影響はほとんどないだろうという意見をたまに見かけます。ですがこの件については軽視してはいけないと私は考えています。
6-1.資金ロックされた後に発行されたビットコインの総量
ビットコインのブロックは約10分に1ブロックマイニングされます。これは1日で144ブロックマイニングされ
144ブロック * 12.5BTC = 1,800BTC
1,800BTC * 90日 = 16.2万BTC
となります。
対して現在発行されている総量は1,600万BTCでわずか100分の1です。
*ブロック生成は10分で固定とします
6-2.予想されるロックされたビットコインの総量
PBoCショックが起こる前にはトランザクションは中国国内で全体の95%を占めていました。なおかつ世界の1日の出来高の95%以上を占めていた12取引所に全て置いてあるとするのは無理があるため比率を考えていきます
保有率 ビットコイン総量 日本円換算
80% 1,280万BTC 2兆5600万円
50% 800万BTC 1.6兆円
30% 480万BTC 8,000億円
10% 160万BTC 3,200億円
5% 80万BTC 1,600億円
1% 12.8万BTC 320億円
*1BTC=20万円で計算
例え1%のビットコインがロックされているとしても320億円で、裁定取引といいこれだけの資金が動く場合の影響は無視できるものではないことがわかります。
6-2-1.投資家とトレーダーに知っておいて欲しいこと
2016年The DAOハックという事件により多額のイーサリアムが盗まれた後、ホワイトハットグループという有志のハッカーにより数10億円のイーサリアムクラシックが取り戻され市場に戻りました。この際イーサリアムとイーサリアムクラシックの価格は大きく変動し、事前に備えることのできたユーザーはリスクオフまたは利益を出すことができました。
Eric氏曰く、価格の高騰、暴落が起こるのには前兆があるとしPBoCまたは取引所によるインサイダーの可能性を示しています。これらのことからわかるように現在のビットコインをはじめとする仮想通貨の高騰に一旦の終止符を打つのは再度PBoCになる可能性は高いです。
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