2017年4月7日に行われた、全イーサリアムコアデベロッパー会議13の内容と補足です。
EIP186:Proof of Stake導入前にETHの発行数を減らす
現在イーサリアムのブロックをマイニングすると、1ブロックにつき5ETHの報酬を得ることができます。ですがイーサリアムはコンセンサスアルゴリズムをProof of WorkからProof of Stakeへの移行を2015年から進めています。その理由として”アイスエイジ”という問題が目の前に差し迫っています。
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ブロック報酬を減少する目的
$ETHの発行数を減らすことによって価格維持効果が期待でき、プラットフォームへの投資を更に促進し、オファーまたは減少したトークンのインフレレートオファー予定の競合するプラットフォームのプロモーターによるイーサリアム価格への投機攻撃を防止することを狙いとしています。
発案者はイーサリアムファンデーションのVitralik Buterinを含む、おおくの人々が携わるETHトークン発行レートについてのコミュニティでの議論を基にしています。
イーサリアムアイスエイジの延期
ネットワークにデプロイされた現在のイーサリアムのバージョンにはアイスエイジ(氷河期)の影響によるブロックごとのマイニング報酬を減少させるようにプログラムされたスケジュールがすでにあり、通常イーサリアムアイスエイジはハードフォークとマイニング報酬の1ブロックにつき5ETHを維持することにより、延期することができます。
EIP186はハードフォークというネットワークが分裂するリスクを取る代わりに取り上げられ、このブロック報酬の減少は指定されたブロックナンバー予定に基づいたプロトコルルールと加減の定義(モネロの様なテールエミッション)を段階的に実装していきます。このマイニング報酬減少のタイムテーブルは今後更に更新していき、GithubやRedditでの議論の結果、最終発行レベルは引き上げてあります。
補足:Monero(モネロ)のテールエミッション(Tail Emission)とは
モネロのマイニングにおいてマイナーの制御外の安定した支えを供給し、不安定さを避け適当ブロックサイズリミットとマーケット手数料の発展を供給している
ブロック報酬減少テーブル
ヴィタリックによるアイスエイジブロックタイムの延期データによるとブロック報酬の減少のスケジュールのおおよその削減案(ブロックタイムの増加は”Proof of Workのディフィカルティボムによって引き起こされます。)
3,700,000ブロック:ブロック報酬の減少 4ETH/ブロック
3,900,000ブロック:ブロック報酬の減少 3ETH/ブロック
4,100,000ブロック:ブロック報酬の減少 2ETH/ブロック
4,150,000ブロック:ブロック報酬の減少 1.5ETH/ブロック
*Casper (Proof of Stake)が実装されるまでの最小ブロック報酬は1.5ETH
デベロッパーの意見
DappブラウザのMistデベロッパー Alex Van de Sandeの意見
「第一印象としてはディフィカルティボムによるアイスエイジ問題が深刻と化すまで、このブロック報酬の減少案またはエコノミックポリシーを行うべきではないと感じた。また更に言えば、現在時期アップデートの”メトロポリス”についてのコミュニティの相違がないのに対し、このハードフォークについて賛否両論の意見が出て来るかもしれない点が気になる」
この件についてはデベロッパー達はコミュニティがこの案についてどれほどのサポートをするかに着目している。
Carbon Voteによる投票
イーサリアムを使用した投票サイトCarbonVote.comを使用し、EIP186についてコミュニティの投票を行っています。ですがデベロッパー達はこの投票率に対して懐疑的であり、更にはこのEIPが広く知れ渡っておらず議論も十分ではないことが上げられます。
http://carbonvote.com/
イーサリアムファンデーションのNick Jamsonの意見
「実際の所、アイスエイジが到来した時点での受け取る報酬よりも高いかそれと同じな場合は悪くないアイデアではないかと思う。なぜならばアイスエイジが来てしまい、プロトコルが凍結してしまうためハードフォークに反対するという理由がないためである」
アイスエイジ問題は無視できるものではない
このアイスエイジ問題は、メトロポリスにCasperが含まれないためイーサリアムネットワークにとって今後重大な課題になることは明白であり、EIP186を行うかどうかの意見を問うべきではないかもしれない。ブロック報酬の変更についてはメトロポリスに実装を行うまたは、メトロポリスのハードフォークを大掛かりなものにさせないために別のハードフォークとして話し合う必要があるかもしれません。
ヴィタリックによると、
「この問題についてコミュニティの十分なサポートと共に更に深く考察していきたい」
としている。
マイニングのブロック報酬減少に必要な技術的変更点
実際にブロック報酬を減少させていく際にはどの様な実装が必要か?
cpp-ethereumのベデロッパーPawel Bylicaによると
「コードの変更は非常にシンプルで、このハードフォークは賛否両論とならず受け入れられるだろう」
今までのハードフォークにより、議論が生まれたことによりイーサリアムコアはこの経済理念の変更に最新の注意を払っていますが、この変更はネットワークに影響を与えるブロック生成時間の変更というサイドエフェクトを防止することができます。
アイスエイジというメカニズムの真意
スポンサーリンク今までイーサリアムネットワークのノードはアイスエイジという重大な問題を真剣に考える機会がなく、少しずつネットワークが遅延しプロトコルが停止するということを望んできました。なぜならばこれはネットワークをフォークするというインセンティブのためにプロトコルに組み込まれてきたことでありメカニズムの一つにすぎないからです。
誰しもが10分のブロック生成時間に到達すると夢にも思わなかったことでしょう。なぜならばディフィカルティボムの影響を感じはじめるまでにCasperというPoSに移行すると考えていたからです。そのためこのアイスエイジについては経済的ポリシーを除外して考える必要があるでしょう。
懸念すべきことはイーサリアムコミュニティとは認知されていないだけで巨大であり、その多くのユーザーが本当に望まないことをしているのではないかという点であり、私達は間違っているかもしれません。
メトロポリス実装時にブロック報酬を変更するかどうか
このアイデアはディフィカルティの計算に特別んばルールを設け、異なったブロック間のディフィカルティを効率的に休止させるというものでした。
今後メロとポリスとアイスエイジの修正のためにハードフォークを1回、または2回行うかどうかを議論していきます。すでに今までのデベロッパー会議でメトロポリス実装のためのハードフォークを1回行うことは決定しており、次のデベロッパー会議にてEVMのデベロッパーYoichi Hiraiとヴィタリックにこの件についての意見をもらうこととします。
メトロポリスのテストとクライアントアップデート実装
cpp-ethereumのデベロッパーDimitry Khokhlovによる説明
メトロポリスに関するEIPの検索補助
Dimitryは来る時期大型アップデートのメトロポリスのテスト方法の概要と、他のデベロッパーがサポートできる方法を提示。このテストをよりベストな方法で行うため、GithubのどのにEIP(Ethereum Improvement Proposal)にメトロポリスが含まれているかを探すのに役立ちます。EIPは数多くあり、その中から探し出すのは困難だからです。
HudsonがREADMEページのテーブルを更新し、Githubラベルを追加します。またAlexのEIP233:ハードフォークのためのメタEIP追加も組み込みます。
各クライアントの実装テスト
実装までREVERTCALLテストをすでに行っており、一部のクライアントの一般的な実装ステータスを確認しました。もしMartin Holst Swendeに委託してくれたら、通常のブロックチェーンテストに変換した後Hive(分散処理フレームワーク処理ソフト)でテストを行います。
全てのクライアントはこのプロトコルテストを行う場合にはHiveを使用しますが、全てのテストがHive用に変換できては居ない現状です。しかし、一般的なステータステストは最新の状態になっています。
トランザクションテストは途中まで完了しており、現在テストリポジトリのブランチを使用しているため、全ての変更は異なるブランチに存在することになります。
メトロポリス実装EIPのクライアントからのアップデート情況
基本的に全てのEIPはファイナライズされようとしている状態ですが、次のコアデベロッパー会議にて再度チェックを行います。多くのEIPのスペックは再度調整を行います。
Parity
9割方完了しており、EIPペンディングのファイナライズを待機中
Geth
メトロポリスのEIPはJeffが担当していますが、現在他のプロジェクトで忙しい状態です。ほとんどのメトロポリスEIPは完了している様です。
cpp-ethereum
どちらかというと5割方完了しているといえますが、どの辺までかということは正確には言えない状態です。EIP次第ではありますが、一部は完了しており、その他は今から取り掛かる所です。
pyethereum
イーサリアムメインチェーンに同期に戻ることができるかどうかに関心を寄せいています。
参加者
Alex Beregszaszi (EWASM),
Andrei Maiboroda (cpp-ethereum)
Arkadiy Paronyan (Parity)
Casey Detrio (Volunteer)
Christian Reitwiessner (cpp-ethereum/Solidity)
Dimitry Khokhlov (cpp-ethereum)
Frankie Pangilinan (MetaMask)
Greg Colvin (EVM)
Hudson Jameson (Ethereum Foundation)
Konrad Feldmeier (pyethereum)
Martin Becze (EWASM/EthereumJS)
Martin Holst Swende (geth/security)
Paweł Bylica (cpp-ethereum)
Péter Szilágyi (geth)
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