米国上院銀行委員会は証券取引等委員会(以下SECとする)と米商品先物取引委員会(以下CFTCとする)は7日、日本時間0時に懸念されるICOとビットコインやイーサリアムをはじめとする仮想通貨の規制について仮想通貨規制聴聞会を行いました。一部では「Tetherについて触れられる」などの話がありましたが、去年12月にCFTCがTether LimitedとBitfinexに召喚状を送ったという件から来たものだと考えられます。
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1.仮想通貨規制聴聞会の主な内容
さて世界中が注目した今回の聴聞会ですが、ロイターによると、CFTCの議長であるChristopher Giancarlo氏とSEC議長Jay Clayton氏が参加すると報道していました。
1-1.ICOについて
主な内容としてははICOの話が多く、ICOプロジェクトではなかでは数百億円を集める企業があるが、これまでのICOで有価証券としてSECに正式に登録されているものがあるのか?という問いに対し、SEC議長は「0です」と回答。更に法律に違反しているのか?という問に対し、はっきりと「はい」と回答。
またその様なICOは米国でどれほどの額を調達したのか?という質問に対しては答えられはしなかったものの
「調達額は不明瞭であるが、現時点でICOの大部分が規制されていないため正確な数字はわかりません。ですがその点に関しては注意すべき重要な部分であると考えています」
と述べています。
また仮想通貨は米国の法律上、有価証券としては明白であるとしたものの
「ICOと仮想通貨を分けることに戻りたい。ICOは有価証券の提供であり、既存の有価証券と同様の規制を行いたい」
と述べています。つまり中国の様なICOや仮想通貨取引所の禁止というものではなく、正しく仮想通貨を理解し、ICOは別の規制を行うということです。
1-2.SECの考えるビットコイン
私は当初SECはそれなりの知識しか持ち合わせていないものであると考えていましたが、実際は違いCFTCの議長は
「ビットコインがなかったら現在のブロックチェーンや分散台帳技術は生まれてこなかった。ビットコインはとても重要だ。
またブロックチェーンをうまく活用することにより、既存のシステムを置き換え、コスト削減なども可能にする」
と述べており、十分にビットコインとブロックチェーンを理解しているという印象を受けました。
更に、中国ほどではないものの海外送金のし辛い韓国は裁定が効かず2017年に大きく価格のプレミアをつけていたことを韓国国内では「キムチプレミアム」と呼んでいたことを知っていたことも驚きでした。
2.SECのハイライト”ビットコインETFの判断基準”
SECは2017年に最も期待されたウィンクルボス兄弟のビットコインETFを否決した際、ハートフォークによるハッシュパワーや開発の分散、ハッキングによる盗難やボラティリティの高さを理由を上げていました。承認の可能性については今後ビットコイン先物の様なデリバティブにより適切に規制されていった際に実現するかもしれないとコメントしていましたが、今回の米国上院銀行委員会との聴聞会で「SECはなぜETF承認に何色を示しているのか?」という問いに対し
「価格発見や保管方法、ボラティリティの問題があり、より安定するまで承認はしない」
とはっきりとした否定を行いました。
また仮想通貨の歴史上最高被害額となるコインチェックのNEM盗難についても質問を受け、取引所が盗まれた当時580億円のXEMを取り戻せる可能性はあるのか?という問いに対し「ほぼ不可能に近い」と否定。これは上記ETFを承認しない理由の”保管方法”にあたり、毎年数十億円を超える仮想通貨の盗難被害が影響していると考えられます。
3.結論と考察
今回Tetherについての言及は一切なく(趣旨が違う)懸念された召喚状などについては一切触れられておらず日本人ユーザーの欲しかった情報とはまた異なったものでした。で
3-1.ビットコイン先物のビットコインETFへの影響
世界最大の先物と取引所CMEとオプション取引所のCboeが2017年末にローンチしたものの、ビットコインの異常なボラティリティによりその影響はほとんどなく、ビットコインETFは気にされていない状態です。ですが、今年はNasdaqがCMEとCboeの既存のビットコイン先物とは違うものを模索しており、より規制に忠実でビットコインのボラティリティを抑えることのできるものへと少しでもなればSECの印象を大きく変えることができるでしょう。
3-2.Coincheckの580億円流出という影響
Coincheckの580億円の流出というものは世界的にも取引所のセキュリティ不信を煽るものとなり、この様な不正送金が多発する限りはビットコインETFは難しいのではないかと私は考えています。
ですが、ビットコインは安全な開発と同様に着実に進歩しており、この様なファンダメンタルも今後少しずつ価格やビットコインの価値を高めていくことになるでしょう。
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