仮想通貨の投資やトレードをして資産が一億円を超えたという話を聞く様になりました。ブロックチェーンベースの通貨でProof of Workをコンセンサスアルゴリズムとしているものでは、コンピューターの計算リソースをネットワークに提供することにより、そのネットワークの通貨を報酬として得ることができ、これを通称”マイニング”と呼びます。
ビットコインもその昔はASICという採掘専用マシーンが開発される前は通常のPCでマイニングすることが出来ましたが、現在ではASIC中央集権化により不可能となっています。対してイーサリアムはASICによる中央集権化を避ける独自のPoWであるEthashを採用しており、GPU1枚からも掘ることが可能で更に中古売却もできるため参加の敷居も低くなっています。
そしてネットワークステータスを比べた際、ビットコインよりもノード数が3倍で更にマイニング報酬は約3億円イーサリアムの方が多く、今年に入り5,000%値上がりしたためリグの増設や新規参入が後をたちません。
この記事ではイーサリアムのマイニングの前提知識としてマイニングリグの構成を紹介します。
速報:ビットコインの24時間のマイニング報酬よりもイーサリアムの方が3億円ほど多く1.6倍ノード数はついに3.4倍に到達 マイナーがRX570/580を買い占める理由です #イーサリアム #Ethereum $ETH #仮想通貨 #ブロックチェーン #AMD #マイニング https://t.co/zM8cNlV2gr
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) June 12, 2017
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目次
1.イーサリアムをマイニングするGPUリグの構成
現在イーサリアムはホームステッドというバージョンであり、コンセンサスアルゴリズムはEthashという独自のProof of Workを使用してます。GPUマイナーはOpenCL(並列処理のためのフレームワーク)により実装されているためASICやFPGAの様な専用機器は非効率的となるため存在しません。また、マイニング専用のPCをマイニングリグと呼びます。
1-1.CPU
CPUマイナーとGPUマイナーがあり両者ともにマイニングをすることが可能ですが、テストネットまたはプライベートチェーン以外ではGPUマイナーが圧倒的に有利であり、CPUはマイニング報酬に影響しないため最低限の物となります。
Core i5を推奨している記事がありましたが、実際にリグを動かした際のCPU使用率は3%前後であり、なおかつ効率の悪いCPUマイナーを使用する必要がないためセレロンで十分です。
リグに最適なのはIntel Celeron G3900 @ 2.80GHzです。
1-2.マイニングの要GPU
OpenCLを使用しているためNVIDIAのGPUよりもAMDのほうが有利となります。
イーサリアムマイニングでの鉄板GPUはAMDのRXシリーズでRX470が鉄板でした。ですが生産完了し、新たにRX500シリーズのRX570とRX580が新たに発売されRX470はプレミアが付き、処分セール時の2倍以上の価格で販売されています。RX580 8GBは2017年6月現在では、長期欠品と33,000円前後となっています。
また去年の時点で2GBのGPUはマイニングができなくなったため4GBまたは8GBである必要があり、このメモリ使用は急速に増加しているため、PoSの実装までマイニングすると考えると4GBよりも8GBの方が好ましいです。
1-3.実は重要なマザーボード
マザーボード(以下M/B)は通常PCを自作する際はPCOスロットは3-4が普通だと思いますが、マイニングリグの場合は多くさせる方が有利です。理由としては単純でPCIスロットが少なければその分リグを組んだ際、CPUと電源更にはM/Bを必要とするからです。そのためできるだけGPUを積め、なおかつ安いものとします。
BIOSTAR TB250-BTCは6枚GPUが積め、なおかつ価格は1万円台前半で絶好の条件となっています。2017年6月現在では13,000円前後となっています
*2017年12月現在、マザーボードは多くの新製品が出ており、13枚GPUを搭載できるASRock H110 Pro BTC+、19枚GPUを搭載可能なAsus B250 Mining Expertマイニング専用マザーボードもあります。
19枚搭載可能なマザーボードは下記を参照してください。
1-3-1.ライザーカード
BIOSTAR TB250-BTCはGPUを6台積めますが、PCI-E 16xは1つしかなくPCI-E 1xが5つという構成になっており、ライザーカードを使用することが前提となっています。ライザーケーブルという16x-16xの延長ケーブルがありますが、1本1万円前後するため1x-16xのライザーカードを使用します。
下記画像のようにPCI-E16xに1xを接続して使うことが可能です。
1-4.RAM
こちらもOSを動かす最低限でいいためコストを抑えます。BIOSTAR TB250-BTCは2017年5月22日発売なため、規格はDDR4となっておりDDR3の240ピンから288ピンに増加しているため基本的に互換性がないためDDR3は採用できません。DDR4-2133の最低価格のD4U2133PS-4Gにします。
1-5.電源ユニット
マイニングは365日24時間リグを動かし続けるため安定した電源供給が必須です。電源の規格には80PLUS認証というものがあり、20%から100%の負荷をかけたときの電力変換効率を80%以上確保できるものです。
80PLUS
STANDARD80PLUS
BRONZE80PLUS
SILVER80PLUS
GOLD80PLUS
PLATINUM80PLUS
TITANIUM
20%の負荷 80% 82% 85% 87% 90% 92%
50%の負荷 80% 85% 88% 90% 92% 94%
100%の負荷 80% 82% 85% 87% 89% 90%
イーサリアムマイニングはプロトコル上メモリーハードなため常に高負荷です。そのため最低でも80PLUS GOLDを推奨となっており、妥協すべきではない点となっています。
スポンサーリンク1-5-1.安定した電源供給を実現するEVGA
PoWのマイニングは膨大な演算を行うため、電力消費を如何にして抑えるかが重要であり、ロングラン前提のマイニングリグにはとても重要なことです。海外で圧倒的人気を誇るEVGAの電源ユニットSuper NOVAがおすすめです。
また、マイニングには全体の消費電力は大きく1000W以上必要ですがSuper NOVAの1600wは約7万円ととても高価です。電源ユニットはとても重要ですがボラティリティの高い仮想通貨において、初期投資は抑えられる方が好ましいため、他の方法を探ります。
1-5-2.2つの電源ユニットを使用しコスト削減
EVGA SuperNOVA 750 G2は750Wですが2017年6月現在22,000円と1600Wの3分の1以下の価格となっており、これを2つの電源ユニットを接続して1つの電源ユニットとして使用できる電源連動起動ケーブルというものがあります。
このケーブルを使用することで、合計45,400円となり23,000円のコスト削減を行うことができるためこちらの方がおすすめです。
1-6.ケース
マイニングリグはものすごい熱を発するため、ケースに入れエアフローを考えたりする余裕はなく、通常はむき出しとなります。またRXシリーズを6台積むため基本的にM/B上に設置できないためメタルラックに積むのが一般的です。
1-6-1.キャスター付きメタルラックの凡庸性
価格は4,000円ほどですので移動用キャスターなどもあり、メンテナンスや組み換えなどに重宝します。
1-6-2.マイニング用リグケース
今では専用のリグケースを作成し販売しているところもあります。6台をきっちり収容できてお値段は87,000円ととても高価ですが、見た目的にはかっこよくなります。
1-7.OS
マイニング専用リグなので安く抑えたいところなのですがそうはいきません。GPUを4枚以上積む場合Windows 7では認識されず、更には5枚積むと全GPUが認識されなくなるという不具合報告もあるためOSはWindows10となります。
2.マイニングリグの総額
RX470が安かった時はリグ1台の価格を抑えることができましたが、現在ではプレミアがつき高騰している状態です。2017年6月現在Amazonと楽天で最安で揃える場合は下記の様になっています
品名 価格 点数 価格
CPU Intel CPU Celeron G3900 ¥4,181 1点 ¥4,181
GPU SAPPHIRE PULSE
RADEON RX 580 8G¥34,580 6点 ¥207,480
M/B BIOSTAR TB250-BTC ¥12,368 1点 ¥12,368
ライザーカード Demiawaking USB 3.0
PCI-Express 1x-16x¥962 6点 ¥5,772
RAM D4U2133PS-4G ¥4,018 1点 ¥4,018
電源ユニット EVGA SuperNOVA 750G2 ¥22,030 2点 ¥44,060
連動起動ケーブル Secondary Power Supply Kit ¥1,346 1点 ¥1,346
ケース アイリスオーヤマ メタルラック ¥3,678 1点 ¥3,678
OS Microsoft Windows10 64bit DSP ¥12,742 1点 ¥12,742
合計 20点 ¥295,645
3.結論と考察
このGPUリグはイーサリアムとイーサリアムクラシック両方ともに使用可能です。RadeonのRXシリーズは、最大で6枚まで拡張できると考えてBIOSTAR TB250-BTCをまず用意し、後から追加していくというのも一つの手となります。
3-1.Crymore Dual Miner
Crymore Dual MinerというDecred、Siacoin、Lbry、Pascalをイーサリアムのマイニング効率を落とさずに他のアルトコインをマイニングできるソフトがあります。
別の計算を行うため電力消費を上げることとなり、マイニングリグ代を回収することを先決に考えるとイーサリアムのみのマイニングの方がおすすめできるでしょう。
Claymore については下記を参照してください。
3-2.Zcashのマイニングリグ
またZcashも同様にGPUでマイニングすることができますが、利益率はGEFORCE GTXシリーズに負けてしまいます。
GPUをGTX1060~にすればZcash専用のリグにすることも可能です。
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