中国の報道によりビットコインが下落、取引所を閉鎖か?

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9月8日中国メディアの財新が「中国政府がビットコイン取引所を閉鎖する」というニュースを報道。多くの波紋を呼びビットコイン価格は50万円から5万円ほど下落しました。ことの発端はPBoCによるICO規制が9月4日に発表されたことであり、多くの噂やFUDがインターネット上で飛び交っています。イーサリアムジャパンでは中国のビットコイン事情に詳しいBlockstreamのSamson氏、中国科学院のEric氏にお話を伺い財新の報道を実際に分析を行いました。

中国がイーサリアムなどのICOを規制、その実態と国内事情

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1.中国はビットコイン取引所を閉鎖することを決定と財新が報道

財新の報道によるとフィアットと仮想通貨取引を提供する中国三大取引所OKCoin, BTCC, Huobiと主要取引所を閉鎖するということを確認したと報道を行いました。

9月8日、中国国内のビットコイン取引所は北京財政会議により、全ての取引ペアを停止することを要求。これはPBoCによるICO規制のため新規ICOと既存のICOプロジェクトの返金を行うため、全ての取引を停止し返金を行うためと財新は報道しています。また取引停止時間は17:30PMとしていましたが、ビットコイン取引所として最古のBTCCのチャートを確認すると停止していないことがわかります。Copyright © cryptowatch

1-1.ICO規制後の影響

Bitcoin.comの報道PBoCと6つの政府の部署は即座に国内でのICOトークンの停止を発表後、

「PBoCの自主規制機関National Internet Finance Association of China通称NIFAはICOプラットフォームに改善を要求した。」

とFirst Financail Dailyは報道。

1-1-1.ICOプラットフォームがサービスを終了

9月5日早朝、報道機関は

「ほとんど過半数のICOプラットフォームは業務停止プロセスへと移行、ICOトークンの上場廃止またはサービスを停止を行った」

と報道しました。また北京タイムの18:00PMには40を超えるICOプラットフォームはサービスを終了するとChina Dailyは報道しています。過半数のICOプラットフォームがサービスを終了する中、継続する一部のプラットフォームは登録を停止しています。

1-1-2.銀行と決済代理店へのサービスを規制

ある中国証券報道のリポーターに対するリーク情報によると、規制当局は銀行と決済代理店に対し

「ICOプラットフォームに対する直接的または間接的な銀行業と支払いサービスを停止すること」

と指示を行ったとリークしています。この停止するサービスは口座の開設、登録、取引精算、決済と決済サービスが含まれます。

1-2.ICOのみではなく全ての取引所が規制対象

財新によるとこの規制の最終的な目標は、現在国内にある60を超える取引所のICOトークンの取引を提供してるだけではなく、ICOトークンを上場したことがないビットコイン取引所にまで含め指定された期間内に即座に決済することとしています。

中国のインターネットファイナンシャルグループの見解によると

「中国はフィアットと仮想通貨を取引する取引所が存在せず、全ての発行された仮想通貨を中国元と取引することができない」

と結論付けています。

1-3.中国での仮想通貨業の一切の禁止

評議会は9月7日に取引所とICOプラットフォームに対する規制の強化を発表。フィアットと仮想通貨、仮想通貨と仮想通貨への売買または仲介業者としての売買を許可しないとし、更に仮想通貨の価格を決めること、情報処理さえ禁止すると発表したと報道しています。

財新は

「これは全てのフィアットとビットコインなどの仮想通貨の取引を提供する取引所を閉鎖し、中国元とビットコインを主な取引とする取引所を停止する」

としています。

2.中国政府の考えるビットコインの真の価値

インターナショナルインターネットファイナンステクノロジーの調査によると2017年7月の中国のビットコイン取引所では300億元、日本円にして約5000億円の出来高があると報告。これは世界のビットコインマーケット全体の30%をしめていますが、PBoCショック後、中国は取引手数料無料でしたが手数料有料化を次々に実施を行い、2016年には世界で95%以上の出来高をしめていた中国は3分の1まで出来高が減少しました。

2-1.ビットコインの潜在的な技術価値による価格の裏付け

ビットコインはいまや世界的にブロックチェーン技術を基にした価値が認められ、SoV(価値の保存)が可能となり多くの投資家が注目をしています。対して規制当局は

「現在の価格の裏付けとなるものは一切なく、潜在的な技術による価値もなく投資の対象となる基準も見受けられない」

とし、ビットコインの価値は実際の経済に基づくものがないと否定しています。

2-1-1.ICOは違法なマネーロンダリングの温床

また規制当局はICOなどの仮想通貨による投資方法は”違法な資金調達”の温床であり、更なる財政リスクを容易に作り出すことができると考えています。

「一般的な投資家に”ビットコインとライトコイン”の違いを聞いた際、答えることができず、更に市場にある仮想通貨の一つ一つの違いを聞いても確実に答えることができない」

としており、これらの認識の甘さが市場スキームを生み出し、多くの詐欺を生み出していると指摘しています。

この点は日本でも同様であり、2017年初旬にねずみ講であるにも関わらず、仮想通貨を使用した安易な送金を利用したHYIPの被害者を多く生みました。大きなリスクに対し、目の前の大きな利益を選ぶユーザーが多く、多くの使用者は詐欺スキームの構成者となっていることさえ自覚していないため否定できない事実となっています。

2-1-2.ビットコイン取引所運営者が自身の取引所で取引

2017年1月、PBoCの監査によってビットコインは暴落しました。これを属にPBoCショックとよび、これを期に中国取引所での現物取引にはレバレッジによる取引とマージン取引が廃止されました。

これにより中国国内でのビットコインの取引量は90%も下落、世界的に見ると出来高は98%も下落しています。また中国国内だけには言えないことですが下記の様な問題点も指摘しています。

 

「このPBoCショックを引き起こした取引所の調査は”ビットコイン取引所を運営し、かつ同取引所内でユーザーとして取引を行っている者が数多く存在した。はたしてこのような取引所が投資家の利益を守ることができるだろうか?」

日本でも同様に取引所は運営者が取引可能であり、問題として指摘される可能性のある点です。そして監査後マネーロンダリング防止のためのユーザーに対するKYC順守を指導したにも関わらず、多くの取引所は厳守できていないとしています。

2-2.ビットコインを悪用した犯罪

規制当局はビットコインによりマネーロンダリング、テロリストへの支援などの多くの社会的リスクを引き起こすと考えています。これはダークマーケットの資金源となり、ドラッグや違法な商品をビットコインを使用した売り買いによって年間109億円を超える資金が犯罪に使用されていると指摘しています。

実際に規制当局は仮想通貨を使用した国内外への不審な送金を複数確認しており、

「ビットコインは金融詐欺と不正な資金調達、ネット上のネズミ講などの多くの犯罪の温床となってしまった」

と厳しい指摘を複数上げた後、規制当局は取引所を閉鎖することを決定したと財新は報道しています。

3.財新はかなり正確で信用できる

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この財新の報道には確かなニュース元のソースはなく、世界中のコミュニティでこのニュースに関するFUDや噂が飛び交っています。イーサリアム・ジャパンはBlockstreamのCSO Samson Mow氏にこの件についてお話を伺った所

「このニュースは多くのニュースサイトが取り上げており、元の財新のニュースを利用したニュースなどが多く拡散されておりどれが真実かわからなくなっている。ただし財新はかなり正確であるため嘘であるとは断定できない。」

とコメントしており、更に多くの噂については噂が噂を呼ぶとし、特に気にしていないと回答しています。

4.財新はビットコインについて否定的だった

イーサリアム・ジャパンは同様に中国のビットコイン事情に詳しい最高国家行政機関の直属事業、中国科学院に務めるDr. Eric Zhao氏にもお話を伺った。

Eric氏は話題になってるニュースは正確な情報元の名前を使用しておらず、不明瞭であると指摘。FUDである可能性を同様に示唆しました。また

「自分の記憶によると財新は2013年~2014年からビットコインについて否定的なニュースを意図的に報道していた」

としており、財新のニュースが確定かどうかわからないためPBoCの正式発表を待つべきだとコメントしています。

またEric氏はたくさんの先行した噂を中国で聞いたとし、

「今聞く噂は

1. 中国の全ての取引所は閉鎖される

2. OKCOinとHuobiは問題なく営業でき、それ以外の取引所はPBoCからの指示後閉鎖し、ライセンスを取得し再度営業を再開する」

などを上げています。また制定された税を収めることにより営業できる、などの噂もでています。

5.中国の取引所閉鎖の結論と考察

今回のビットコインの直接の下落の原因となったこの財新による報道は限りなく判断が難しいということがわかります。Samson氏はこの財新の記事を呼んだ上で現時点では確実なソースはなく、ただの予測であると指摘、またPBoCは規制を発表する際に出し惜しみはしないと指摘しています。

5-1.PBoCショック時に出たライセンスの噂

PBoCショック時にビットコイン取引所を閉鎖しライセンスを規定し、ライセンスのない取引所は運営を出来ないようにするという噂が飛び交いました。この噂の内容と今回の報道内容が同じであるため、Samson氏が指摘するようにPBoCの発表を待たずに財新が先に報道するという確率は低いと考えています。

PBoCショック後にも多くのメディアが多くの”リークニュース”を出しましたが95%以上がフェイクやミスリークであり信用出来るものではありませんでした。PBoCまたは政府機関からのニュースがでるまでは噂の域をでないでしょう。

5-2.三大取引所は否定しているという事実

BTCCは公式にPBoCからの指導は入っていないと公式に発表。またEric氏は実際にOKCoinとHuobiに問い合わせをしたところその様な事実はなくサービスは正常に行われていると報告しています

5-3.ビットコイン暴落という事実

実際の情報が確かかどうかわからない中、ビットコインの価格が取引所閉鎖の噂を受け5万円下落しています。もしこの報道が本当だとするとライセンス化を前提とした際、中国の個人マイナーは一時的にビットコインを売却できないため影響を及ぼすこととなるでしょう。現時点での中国国内でのビットコインの売り圧はマイナーによるリスクオフであると考えられることができます

中国人マイナーのリスクについては下記を参照してください

現在の中国のビットコイン事情と高騰暴落の危険性

5-4.情報ソースの内容が不明瞭

財新の記事を読んだ感想として規制当局の件は妥当な主張であり、明かされていない元ソースが本当だとすると大きな影響を及ぼすでしょう。実際中国当局の規制はかなり強いものであり、国民は従わざるを得ないものとなっています。

一番可能性が高いのは三大取引所以外を一時的に運営停止にし、ライセンス性にするというものが考えられます。ですが一次ソースがはっきりしないうちは噂の域を超えることがないため注意が必要です。もしPBoCから発表された際には再度下落となるでしょう。

今回の騒動の発端は下記記事を参照してください

中国がイーサリアムなどのICOを規制、その実態と国内事情

6.追記

上記ニュースに加えて書き忘れていた件について9月9日20:00に下記を追加しました。

6-1.中国のブロックチェーン技術への関心と利点

中国のフィンテックへの関心はかなり高く、PBoCも同様です。MITのテクノロジーレビューによると

「中央銀行によって価値が裏付けられ、フィアットと同様の法的地位を持つブロックチェーンなどのフィアット仮想通貨は送金などの手数料を低コストにすることができる。これは銀行口座を持たないまたは持てない人まで金融サービスを幅広く提供する手助けとなり、経済格差により従来の銀行にアクセスできない人々が数億人いる中国では特に重要なことです。」

としており、中国元トークンの可能性を示唆しています。また実際5月にイーサリアム・ジャパンが報道した様にPBoCはERC20トークンを使用した中国元トークンの検討を行っておりブロックチェーン技術に注目しています。

詳細は下記を参照してください。

現在の中国のビットコイン事情と高騰暴落の危険性

6-1-1.中国政府は既に独自仮想通貨のテストを行っている

学術誌の清華ファイナンシャルレビューによるとPBoCは独自仮想通貨を使用して送金テストを行っていると報道しており、PBoCショック後に「ブロックチェーン技術を使用しテストする」という宣言どおりのテストを重ねている様です。

これらの事を考慮した際、今回多くの報道で閉鎖という表現を見ましたが一時的な措置または”KYCを巡視できていない”としていた取引所のみへの規制ならば可能性は限りなく高いと思われます。

6-1-2.中国が取引所を閉鎖するメリット

PBoCの考えとして国民の所有財産と送金を把握したいという思惑とMITのリポートのコスト削減は仮想通貨を使用する大きなインセンティブとなっています。では三大取引所とKYCを遵守できている取引所を閉鎖した際のPBoCの利点を考慮しみます。

もし国営で新しく中国元トークンを取引できるプラットフォームと取引所を整備するとKYC、AML対策、プラットフォームの開発というイニシャルコストがかかり、実際のブロックチェーン運用コストと国民の使用コストは下がりますがエコシステム整備に莫大な資金が必要となります。この場合取引所に業務を委託またはエコシステムを構成させることにより取引所規制だけで済むため閉鎖よりも合理的と言えるでしょう。

6-2.財新の中国語と英語での表現の変更

元の記事を確認すると題名に「仮想通貨取引所の終わり(虚拟货币交易所时代结束)」と書いてあり、更にビットコイン取引所が”閉鎖される”と記述してあります。これはネット上に飛び交った噂の中にも”CloseやShut Down”という表現がつかわれているのに対し、最新の英語版の記事では一時的な中断を表す”Halt”という表記に変えられています。

6-3.3大取引所が嘘をついている可能性

今回の三大取引所の全ての取引所が公式声明を発表し、そのような通知はなかったと発表しています。またこの件について私設でビジネスだから嘘の可能性があるという主張が見受けられましたが、それは財新も同様であり完全なる政府直属機関でない限りビットコインのビザンチンノードへのリスク懸念と同様となるでしょう。

 





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