ビットコインのSegWitがロックインし、コアがSegWit2xを排除する

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ビットコインのSegWitがロックインし、コアがSegWit2xを排除する

2016年11月18日、ビットコインがSegWit導入のためのシグナリングを開始して、20期間目という半年以上の硬直状態を見せたビットコインネットワークのスケーリング解決は本日ついに大きな一歩を踏み出しました。

そんな中ビットコインコアは、SegWit2xのクライアントであるbtc1との接続を切り、ノードをより明確に分離するアップグレードをクライアントにマージするというビットコインにとって運命的な日となりました。

イーサリアム・ジャパンでは今回の件について、中国の三大取引所であり最古のビットコイン取引所であるBTCCでCOOを務め、ビットコインコアデベロッパーのGregory Maxwell氏やLuke Dashjr氏などが在籍するBlockstreamの現CSOであるSamson Mow氏にインタビューを行いました。

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1.ビットコインのSegWitが遂にロックインし、実装が確定

ビットコインはブロック伝達レイテンシーというスケーリング障害により、長年トランザクションの圧縮と伝達レイテンシーの向上に取り組んできました。その中で第一歩となるBIP148のSegWit(署名の切り離し)が遂に2017年8月9日日本時間03:55AMの#479707ブロックでロックインされました。

1-1.SegWitが95%のロックインによる確定

95%といのは100%ではないのになぜ確定なのでしょうか?

これはシグナリングターゲット期間の2016ブロック中に含まれるブロックの95%である1916ブロックを超えた時点で95%から減ることはなく、95% = 100%であると言えるからです。

詳しくは下記記事を参照してください

ライトコインSegWit決定!ビットコイン高騰への影響は?

1-2.SegWit確定によるビットコイン高騰

一時はSegWitロックインまでに大きな仕手売りがあり、大幅に価格を下落させたビットコイン。ですが米ドル最大の取引所Bitfinexではロックインされた2分後に181BTC日本円にして約7,000万円のロングが入った後、世界中で高騰約100ドル近くの高騰をみせました。

 

SegWit確定によるビットコイン高騰

Copyright © 2017 Cryptowatch

ですが日本時間で深夜4時前であった点、日本最大の取引所bitFlyerが定期メンテナンスに入った点などにより高騰は抑え気味となってしまいました。

https://twitter.com/bokujyuumai/status/894997125796253696

 

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2.ビットコインコアがSegWit2xに対し最終手段を実行

今回マージされたService bits6またはbits8を使用し、ネットワークの識別子を変更するのではなく、互換性のないコンセンサスルールを持つノードがService bitsを使用してコアクライアントのノードと接続していたのに対しこれを即座に接続を打ち切るというアップデート内容となっています。

2-1.ビットコインコアクライアントに接続できないとどうなるのか?

SegWit2xのクライアントであるbtc1を使用しているマイナーノードはビットコインコアクライアントに接続できなくなり、コアクライアントにより拒絶されてしまいます。この点についてSamson氏は

「実際は誰もSegWit2xの2MBハードフォークの準備はしてはいないでしょう。実際にはごく少数のbtc1ノードが存在しているでしょう」

と述べています。

2-1-1.ビットコインクライアントのノード数比較

実際にノード数を確認してみると9日の時点でbtc1ノードは、わずか156ノードです。またビットコインコアノードとUASFノードは互換性があるため、約43倍もの差があることがわかります。また今月初めにフォークしたビットコインキャッシュでさえ4倍以上のノードがネットワークを構築していることがわかります。

ビットコインノード数Copyright © CoinDance

1.ビットコインネットワークのノード数

 

”ビットコイン”であることが重要なマイナー達は今回のマージによりビットコインコアクライアントへと戻すインセンティブが与えられたことになるでしょう。

2-2.SegWit2xの考えられるリスク

Samson氏はマイナーがビットコインコアクライアントを選ぶ理由として、簡単に計算をするとわかるだろうと下記のように述べました。

もしネットワークの15%のハッシュレートを持つマイナーが100%ラッキーでそのハッシュレート分のブロックを1日マイニングできるとします。

1日にマイニングできるブロックは約144ブロックで、マイニング報酬は1,800BTC/日となります。これを15%のハッシュパワーでマイニングすると

1,800 ✕ 15% = 270BTC

1日約1億円のマイニング報酬を得ることができることがわかります。もしbtc1のノードが1時間クラッシュした場合、1時間につき410万円もの報酬を失ってしまうのです。

また、もし創造できないほどのネットワークトラブルを抱え、ノードは走っているがマイニングできないまたはスローダウンする様なトラブルを抱えてしまった場合・・・マイナーはとても賢く、リスクとお金の問題だ。と指摘しています。

 

これはAntpoolがビットコインキャッシュをサポートするとしていたにも関わらず未だに1ブロックもマイニングしていない理由だと考えられます。

ビットコインキャッシュ ブロックチェーンCopyright © CoinDance

2.ビットコインキャッシュのブロックヒストリー

3.SegWit2xの2MBハードフォーク

SegWit2xによるとハードフォークは下記の様な仕様になっています。

もしSegWitがブロックNで実装された場合

N+144ブロック(約1日) ✕ 90日

後に2MBハードフォークを行う。

当初は11月18日前後とされていましたが、ビットコインのブロック生成時間は約10分であり、前倒しとなると考えられます。

3-1.ビットコインは再度2つに分裂し、コアコインと2xコインが誕生するのか

Samson氏はおそらくそれはないだろうと述べ、上記で示した様に実際のbtc1ノードが圧倒的に少ない点、マイナーはマイニング報酬が重要であり、ビットコインブランドが重要であるとしています。

実際、BUを含む多くのビットコインエコシステムに携わるユーザーはネットワークの分裂は避けたいと発言をしています。そのためSamson氏は

「今回のbtc1ノードの切断はSegWit2xにとってとどめの一撃となったでしょう。ビットコインネットワークとして分裂を望まない今、新しいアルトコインが生まれる可能性は低いと考えられます」

と述べています。

3-2.ビットコインコアデベロッパーの回答

ビットコインコアデベロッパーのMatt Corallo氏は今回のbtc1ノード切断について下記の様に述べています。

「ビットコインコアは互換性のないコンセンサスルールを使用しているクライアントが何を行うかを判断していません。ビットコインの分裂はbtc1が2MBのブロックサイズ増加というコアクライアントと互換性のないコンセンサスルールを実行するまで起こりません。

このアップデートはノードを明確に分離するものであって、ネットワークを継続して広域に接続させないものではありません。」

ビットコイン コアデベロッパーの回答Copyright © 2017 GitHub, Inc.

 

4.今回のビットコインコアの対応とSegWitロックインの結論と考察

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半年以上に渡ってビットコインのブロックサイズを増加させるために、BitmainをはじめとるするBU派によるビットコイン政治は、SegWitロックインにより一時的収束を見せたと断言していいでしょう。

またJihan率いるAntpoolはトランザクションスパム攻撃や、空のブロックを大量にマイニングしているにも関わらず、ビットコインのブロックは1MBで満杯であり、SegWit2xはアンフェアにマイニング手数料が低いと発言してきた過去があります。

4-1.ビットコインコアによる追い打ち

今までSegWit実装という人質を取ることにより、自らの主張するブロックサイズの増加を強行してきたビッグブロック派のBUとJihan氏はSegWitがロックインされ、2MBのハードフォークを強行するにはビットコインネットワークから独自にフォークするしかないという極限の状態まで追い込まれました。

現在のSegWit2xの状態を「暗礁に乗り上げた」と表現するユーザーがいる様に、最後の最後になって沈黙を保ってきたビットコインコアによってビットコイン政治は収束しようとしており、ビットコインネットワークには大きな兆しとなっています。

*UASFがコアによるものであるという間違えた認識が広まっていますが、ビットコインコアは中立の立場であり、BIP148はシャオリンフリーという人物による提案でありビットコインコアによるものではありません。

 

4-2.ビットコインキャッシュの存在

SegWit2xを実行する場合、ビットコインネットワークからSegWit2xを”本当に支持する”場合、SegWit2xコインという新たなアルトコインを作り出すことになります。ですがこれはビットコインネットワーク自体にマイニングハッシュレートによるブロック生成時間の遅延、という両者にとって望ましくないことがフォークをするという決断に至らない一つの大きな要因と考えられます。

SegWit2xは理論上SegWitで4MBのブロックサイズとなり、更に2MBの元ブロックにより8MB程度のブロックとなるため、Jihan氏により最初の妥協案として提案されたのがもととなっています。ですが現時点でViaBTC主導でフォークした8MBのビッグブロックコインであるビットコインキャッシュがあるため、約38万円のビットコイン価格を保持出来ているネットワークへの致命的ダメージとなるフォークは行われないと考えるのが妥当です。

4-3.フォークは依然いつでも誰でも行うことができる。

ビットコインブロックチェーンをフォークし、新たなフォークコインを作り出すことは依然誰にでもできることであり、ビットコイン分裂という点にはおいては常に考えることができます。詳しくは下記記事を参照してください。

ビットコインキャッシュの相場分析と今後の値動き

 

今回インタビューを行ったSamson Mow氏のツイッターはこちら

 

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