ビットコインは現在、中国の規制による大きな煽りを受け価格が不安定に乱高下しています。中国三大取引所で世界最古のビットコイン取引所であるBTCCが取引を停止としていたものの閉鎖と発表。これに続いてビットコインキャッシュを作るためにフォークした中国取引所のViaBTCも同様の内容で発表を行いました。
中国国内のビットコインニュースは当然中国語であり、英語と比較すると正確な情報をつかむのは至難の技です。イーサリアム・ジャパンでは中国科学院のDr.Eric Zhao氏の協力の元、中国ののビットコイン取引所と規制のまとめを行いました。
超速報:BTCCは取引の提供を一時的に停止するのではなく営業を9月30日に完全に停止しビットコイン取引所を閉鎖します #ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin $BTC #ブロックチェーン #中国 #ICO #BTCC https://t.co/9fagDDXpY7
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) September 15, 2017
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目次
1.ビットコインの中国取引所の規制まとめ
現在ではビットコインに関する多くの情報を日本語で確認することができます。一方間違えたニュースの翻訳の事実確認をせず、そのまま翻訳したものが多く出回っており、中国語という言葉の壁から今回は顕著です。サービスを停止する取引所の対象として公開された資料によると”北京にある取引所”とあったため、各取引所の所在を確認します。
1-1.中国三大取引所
中国三大取引所と呼ばれているOKCoin, BTCC, Huobiは8btcのニュースによると全て北京の取引所となっていました。実際のところ公式サイトを確認すると
北京の取引所 : OKCoin, Huobi
上海の取引所 : BTCC
となっておりBTCCだけ上海であることがわかります。
1-1-1.OKCOinは3つの取引所を運営している
OKCoinは中国向けである”OKCoin.cn”、USDユーザー向けで先物取引を提供する”OKCoin.com”、”OKEx.com”の3つの取引所を運営しています。
2017年1月に行われたPBoCによる立ち入り検査によってOKCoin.cnはレバレッジを禁止されたのに対し、OKCoin.comは影響を受けていません。これは香港ベースであるためPBoCの規制影響を受けることはなく、今回の規制も同様であると考えられます。
1-2.中国大手取引所
中国三大取引所とは別に大手取引所が9取引所あり、1月のPBoCによる規制を受けています。また12取引所とは別にも数多くの取引所が存在します。
1-2-1.ビットコイン取引所を閉鎖するViaBTC
ViaBTCはビットコインのマイニングプールとして知られており、元は1%程度のネットワークシェア率でしたが現在はビットコインキャッシュとビットコインのマイニングを容易に切り替えられるという理由から12.5%という大きなハッシュレートを占めています。Copyright © Blockchain.info
このViaBTCは北京の取引所ではなく広東省にある深圳市の取引所として知られ、創業者はインターネット事業を手がける巨大会社のTencent出身としてしられており、Tencentも同様に深圳市の企業です。
公式ページを確認すると「粤ICP备17027198号-1」と確認できます。粤とは広東省を示す中国語であり、北京の取引所ではないことがわかります。
1-2-2.アルトコイン取引所Yunbi
イーサリアムベースのプロジェクトの仮想通貨であるERC20トークンと数多くのアルトコインを上場していたYunbiも同様に取引停止の発表を行いました。
ICO規制により即座にイーサリアムベースのERC20トークンの上場を廃止した中国の取引所Yunbiは9月20日に取引サービスを停止 #ビットコイン #仮想通貨 #Bitcoin $BTC #ブロックチェーン #中国 #ICO https://t.co/tBGWF7QfbH
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) September 15, 2017
Yunbiの公式サイトを確認すると「京ICP备 13047168号-3」とあり、京は北京を示すため北京の取引所であることがわかります。
1-2-3.CHBTCによる規制内容の発表
CHBTCは2016年にThe DAOハードフォークによって分裂し生まれたイーサリアムクラシックをいち早く上場した取引所として知られています。CHBTCも同様に「京ICP备12021837号-11」とあるため北京の取引所であることがわかります。
CHBTCは16日に日付が変わる前に取引の停止を同様下記の様に発表しています。
CHBTCは2013年5月から約4年に渡ってビットコインをはじめとする仮想通貨取引を国内と海外へ提供してきました。2017年9月4日PBoCと7つの省庁と委員会により発表されたICO規制が発表された後、9月15日に参加したミーティングの後規制当局からの指示とガイダンスをうけとりました。その結果CHBTCは中国元と仮想通貨の取引の停止を決定しました。
1.CHBTCは2017年9月15日 15:00PMから新規ユーザー登録と中国元のデポジットを停止します。出金は現時点では影響を受けません
2.CHBTCは夜間シフトとスタッフを雇用して対応に当たりますが、引出し承認とセキュリティの関係で最大72時間の遅延がある可能性があります。
3.ビットコインの引出しは引き続き可能であり、ユーザーの資産は安全です。
4.中国元との取引停止は9月30日に全てのユーザーに告知され、停止されます。
5.仮想通貨の種類ごとに優先順位のため停止時刻は違いますが、10月31日以内に必ず停止されます。
6.CHBTCはビットコインとその他仮想通貨は中国国内では未だに違法ではないため引き続き仮想通貨同士の取引を提供していきます。
2.中国のビットコイン取引所の規制対応と所在地まとめ
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中国三大取引所と最大手である9取引所で計12取引所が年始のPBoCショックでの規制対象となりました。下記ビットコイン取引所まとめは取引所の公式発表と12取引所に加えた数取引所を掲載しています。
取引所名 | 所在地 | 対応 | 仮想通貨同士の取引 |
---|---|---|---|
OKCoin | 北京 | 中国元での取引を停止 | 全てのトランザクションを停止予定 |
BTCC | 上海 | 9月30日に閉鎖 | N/A |
Huobi | 北京 | 中国元での取引を停止 | 全てのトランザクションを停止予定 |
CHBTC | 北京 | 中国元での取引を停止 | 引き続き対応 |
BTCTrade | 北京 | 中国元での取引を停止 | 全てのトランザクションを停止予定 |
Haobtc | 北京 | 中国元での取引を停止 | 全てのトランザクションを停止予定 |
Yunbi | 北京 | 9月20日に取引を停止し閉鎖 | N/A |
Yuanbao | 北京 | 9月28日に全てのトランザクションを停止後閉鎖 | N/A |
BTC100 | 北京 | 9月22日より全てのサービスを停止し閉鎖 | N/A |
Jubi | 北京 | 全ての取引を停止 | N/A |
Bitbays | 不明(運営は英国) | 閉鎖 | N/A |
Dahonghuo | 北京 | 9月20日に全てのサービスを停止し閉鎖 | N/A |
BTC38 | 深圳 | 中国元での取引を停止 | 引き続き対応 |
ViaBTC | 深圳 | 9月30日に閉鎖 | N/A |
YOBTC | 江蘇 | ユーザーの資産を買い戻し閉鎖 | N/A |
3.中国のビットコイン規制当局
下記写真は規制当局が取引所への中国元取引を停止を求めた際に撮影された写真です。この資料によると法の基執行され、北京にある取引所が対象であり上からOKCoin, Huobi, Yunbi, CHBTC,BtcTrade,Yuanbaoなどが記載されているそうです
これはPBoCによるものではなく「北京市互联网金融风险专项整治工作领导小组办公室」と記載されており、北京インターネットファイナンシャルリスク特別改正チームとされています。これは北京で行われた評議会で決められた内容であるとされています
詳細は下記を参照してください。
3-1.中国人民銀行(PBoC)
中国人民銀行はPBoCとして知られており、中国のどの規制当局よりもビットコインをよく知っているとEric氏は語ります。実際にPBoCは正しい規制の基にビットコイン取引所の運営を許可したいとしており年始からビットコイン取引所と多くのミーティングを重ねてきました。
今回PBoCではないという裏付けとしてPBoCはICOコインをトークンとし、ビットコインなどの主要通貨を仮想通貨と9月4日のICO規制発表時にわけており、Eric氏の言う様に仮想通貨をよく理解していることがわかります。対して今回の取引所閉鎖は各取引所による対応のばらつき、規制当局からの国民に対する正式発表などがない点からPBoCの発表ではないと考えられます。
PBoCの体質としては、決定事項は有耶無耶にせず正式に発表を行い、その後規制していくというものであり、今回は不明瞭なままです。この点から見てもPBoCと今回の規制当局との連携が取れていないのではないか?と中国国内でも話題となっています。
ICO規制については下記を参照してください
3-2.CSRCの関与
中国にも米国証券取引委員会と同様の中国証券規制委員会、通称CSRCという規制当局が存在します。中国国内では現在PBoCによるものではないことからCSRCが指揮を取り、規制をしているのではないかという懸念が広がっています。ですが現時点では各取引所閉鎖と取引の提供停止をしているものの”ビットコイン自体”は禁止しておらず、取引は出金対応を行っています。
4.中国のビットコイン取引所に対する規制の結論と考察
イーサリアム・ジャパンでは中国三大取引所と大手9取引所に加え3取引所のビットコイン取引規制に対する対応をまとめました。現在話題にはなっていませんがほぼ全ての取引所が“新規ユーザーの登録”を停止または近々停止し、中国元でのデポジットを停止します
ビットコイン自体の禁止をしていないこと、からKYC強化を行ったライセンス制での取引所運営の可能性は高いのではないか?と考えています。
ただし今回は中国国内での政治色が強く、10月18日に行われる中国共産党第十九回全国代表大会が終わるまでは中国でのビットコイン取引に関する好材料となるニュースは聞けないだろうと考えています。
本項での字数が多くなったため、まとめ記事として一度区切り、ビットコインコアデベロッパーのBTCDrek氏が「詳細は定かではないが中国はP2Pネットワークと海外主要取引所への接続をブロックしようとしている」とツイートした件の技術的考察とインタビュー記事は後日後編として更新します。
詳細は下記記事を参照してください。
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