現在のビットコインネットワークの抱える問題点をご存知でしょうか?
ビットコインのブロックは現在1MBであり、去年からの平均ブロックサイズを見てみるとトランザクション需要が高まりグリーンの囲いに届くこともあったが、基本的に赤丸の様に余裕があり、マイナーの報酬に対して支払う手数料(*マイナーは手数料の高いものを選び優先してマイニングできる)が0でもトランザクションの絶対数が少なく問題なかったのですが現在はほとんど1000KBとギリギリであり、トランザクションの詰まりが問題となっています。
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SegWitによるスケーリング
簡単に説明するとSegWitとはSegrated Witnessの略で訳すならば「分離された署名」であり、今までブロック内に含んでいた署名を切り離し、
1byteごとの署名を0.25byteで最小のブロックサイズリミットとし理論上最大4MB程度のスケーリングを実現する。だがAnthony Townsの計算によると1ブロックに対して標準的なP2PKHのシングルシグのトランザクションは1.6MB、2-of-2のマルチシグの場合は2MBとなる
このSegWitを実装するためのマイナーによるシグナリング投票を行っていたのですが、アクティベートするには95%以上というコンセンサスを得る必要があり難航していました。また、同じくSegWitのシグナリングを行ったLitecoinは75%と20%も低いが同じく難航している状態です。
ビットコインアンリミテッド(Bitcoin Unlimited)
ビットコインコアとアンリミテッド(以下BU)のビットコイン政治は熾烈を極めています。簡単に説明するとBUの主張としては「現在のビットコインコアによるハードコートされた1MBというブロックサイズの制限はトランザクションの遅延を引き起こしており、これを避けるため更なるブロックサイズが必要だ」というものから始まります。
またBUクライアントではマイナーが独自にブロックサイズを決めることができ、ユーザーが自由に選択することが可能となっているというものです
ブロックサイズを引き上げるにはハードフォークするしかないためBUが支持を得る=チェーン分岐をしてしまい、Bitcoin Unlimitedを略し通称$BTUという今までの$BTC(ビットコインコア)とは別の通貨が誕生することになります。
ビットコインのハッシュレート分布から見るSegWitの支持率
ビットコインのマイニングプールにおいて最大のハッシュレートを持つAntpoolがBUを支持することによってSegWitとBUの投票に大きな影響を及ぼしました。
世界の70%シェアを誇るマイニングASICで有名なBitmainの創設者がCoreとSegWitを批判。BUの方がSegWitより長期的な解決策になるとしている #ビットコイン #bitcoin #暗号通貨 #仮想通貨 $BTC #SegWit #AntMiner #マイニング https://t.co/goQiJwt5mW
— 墨汁うまい(BokujyuUmai) (@bokujyuumai) 2017年3月6日
BTCマイニングプールとして最大のAntpoolがBUシグナルを出した後の下落指摘について創設者は「インサイダー取引により価格が動いたわけではない」と弁解 #bitcoin #ビットコイン $btc #ブロックチェーン #フィンテック #暗号通貨 #仮想通貨 https://t.co/adoItXtQGt
— 墨汁うまい(BokujyuUmai) (@bokujyuumai) 2017年3月7日
現在ビットコインネットワーク全体の5.6%のシェアを持つviaBTCがBUを支持することを公式発表した際もビットコインは大きく下落を見せました。
実際の分布からみてみましょう
SegWit支持
BitFury:10.1%
BTCC Pool:7.8%
Sluash Pool:6.1%
合計で24%
BU支持
Ant Pool:16.2%
BTC.TOP:6%
ViaBTC:5.6%
GBMiners:4.6%
Bixin:4.5%
合計で36.9%
*小さなハッシュレートのプールは除く
現状でみた時BUの支持率がSegWitを上回っていることがわかります。それでは残りのN/A(どちらでもない)はどうでしょうか?
N/A
F2Pool:12.9%
BW.COM:8.1%
Bixin:4.5%
BTC.com:3.6%
1Hash:3.5%
合計 32.6%
もしこのニュートラルなプールがBUを支持したとすると70%を超えBUがハードフォークをし、チェーンが分岐する恐れが強まりました。そのため各関係者は1つのブロックチェーンが2つに分岐し、なおかつどちらも存在するという状態に陥った時のリプレイアタック対策を前提とし水面下で動いていました。
BTU上場
3月17日、もし去年のThe DAO ハック事件後のハードフォークからスプリットしたイーサリアムとイーサリアムクラシックの経験を活かし事前に各取引所同士の連携によりリプレイアタックを防止することを前提にした$BTUの上場を発表
関係取引所
引用元:Hardfork Statement 3.17 11.00am
その他の取引所の声明
またこれら上記公式発表にない取引所でも同様に公式声明を発表
Our position on a possible BTC hard fork:https://t.co/quRjyB69J5
— Poloniex Exchange (@Poloniex) 2017年3月17日
「賛否両論なハードフォークは必ずリプレイアタックの防止が必要である。またCoreを支持するがスプリットした場合は $BTU を引き出し可能とする」
A Statement on the Possible Bitcoin Unlimited Hard Fork https://t.co/jpzLgrzkYn
— BitMEX (@BitMEXdotcom) 2017年3月17日
リプレイアタック防止が確立されるまで入出金は停止するが両チェーンをサポートする。もしHFが失敗したらユーザーにとって一番安全な方法を取る」
関係者へのインタビュー
スポンサーリンク今回の件について元BTCCの最高技術責任者のSamson氏に話を伺った所下記の様に述べている。
Samson 「この様な多くの取引所の合同声明は賛否両論のハードフォークは成功しないであろうというビットコインエコノミーからの大きなサインである。マイニングプールはBUにシグナル投票をしているかもしれないが、この声明はエコノミーがスプリットすることを受け入れないということが明白であり、取引所が望む最適な結果は$BTUを取引所に上場することである
現在の状態で、マイニングプールがSegWitのアクティベートを阻止する技術的要因は一切なくビットコインエコノミーの大多数はSegWitのアクティベートを望んでいる。よってBUが継続的にSegWitのアクティベーションを阻害することはとても容認できることではない。また実際にサードパーティの企業やプロジェクトは多くのエンジニアリソースを割きSegWitの準備をしており、SegWitを導入しない、または妥協するということは現時点ではありえません。」
と上記の様に述べている。
結論と考察
上記の色々な点を踏まえて、ビットコイン政治の煽りをネットワークが受けておりそのためトランザクションの遅延、ブロック手数料の増加などの悪影響を及ぼしています。送金方法だけの点で見ればユーザーにはコアでもBUでも同じに見えるかもしれないが、BUは大小含む様々なバグを抱えており今後サードパーティがエンタープライズ商品として活用するという未来が見えない点において支持することができない
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