EIP-156とは、2016年10月14日にイーサリアムの開発者であるVitalik Butrein氏によって考案されました。このEIPは送金機能を持たないコントラクトや、バグなどによりイーサリアムまたはERC20トークンが送金出来なくなり資金が永遠に凍結されるという問題を解決するものです。
1.EIP-156の内容
このEIP-156ではユーザーがイーサリアム(ETH)またはその他のERC20トークンを被害ユーザーがプライベートキーを所持している場合スタックしたアカウントから引出すことを可能にするというものです。
1-1.異なるチェーン間の送金による対処
まず第一の対処としてコードなしの状態で生成されたコントラクトというケースで、イーサリアムクラシック(ETC)により作成された(ETHに送金されたがETHのコントラクトで生成されていない)コントラクトがリプレイアタックにより消失するといったケースと同様となります。次にイーサリアムアドレスにより間違って演算された古いイーサリアムジャバスクリプトライブラリにより失った資産に対処します。
1-2.正当な所有者の証明が可能
送金したトランザクションをブロックチェーンで確認できるため、このスタックした資金の正当な所有者は明白であり、更に数学的に証明が可能です。またどのユーザーも資産を盗まれておらず、被害者は送金主のみであって返還すべきインセンティブがあります。
2.送金が凍結されるたびに行なわれる提案
2017年6月16日に行われたコアデベロッパー会議でも同様に取り上げられ、カナダの取引所QuardrigaCXが約1.5億円のETHをコントラクト内から取り出せなくなった事件や、対応していないコントラクトへのERC20トークン送金による資産の消失など大くの問題が報告されています。その度EIP-156は提案されてきましたが、未だに実装されていない状態です。
*ERC20トークンについてはこの問題を解決したERC-223という提案もあります。
メトロポリスのハードフォークPt.2のコンスタンティノープルでの実装の可能性も考えられます。
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