(日:ジーキャッシュオンイーサリアム)
イーサリアムのZcash on Ethereum、通称ZoEとはZcashのzk-SNARKsをイーサリアムへ実装し、ブロックチェーンにおけるトランザクションと資産などのプライバシー保護とコンピューター制御の連携に取り組むというプロジェクトです。
2016年7月28日にZcashチームにより発表、2017年1月19日にイーサリアムファンデーションによってZoEとして正式にイーサリアムから統合予定を発表。Zcashチームは既にイーサリアムのコントラクト言語にzk-SNARK証明を効率的にサポートする為の拡張を行っており、一般的な証明を検証刷るためにSNARKライブラリを使用するParityのフォークにオペコードの様なSNARK検証プリコンパイルを追加しています。
主要デベロッパーはイーサリアムファンデーションのChristian Reitwessner氏とZcashカンパニーのAreil Gabrizon氏によって開発されています。
目次
1.イーサリアムはZoEにより匿名性を得る
イーサリアムはERC20トークンをはじめとするスターアップによるプロジェクトや、ロシア中央銀行などによるイーサリアムベースの金融システムなどエンタープライズ向けまで幅広く使用、更には国連や政府との実験開発が行われています。ですがイーサリアムやビットコインをはじめとするパブリックブロックチェーンの問題をZoEは解決することができます。
1-1.イーサリアムにもたらされる匿名性の利点
上記の様にイーサリアムの柔軟なスマートコントラクトのインターフェイスは多彩なアプリケーションを構築することを可能としています。例えば選挙またはオークションで行われた結果がブロックチェーンのオブザーバーにより検証されるスマートコントラクトで行いますが、個人の投票または売却主は個人の情報を開示しないものとします。
また更に考慮するとすれば、ユーザーがIPアドレスなどから特定の位置情報などを開示する必要なく、その都市にいるということを証明することができるというようなユーザー自信で情報開示を選択することができるというものです。
これは一例に過ぎませんが政府のプロジェクトで使用する際、匿名性というものは重要なファクターとなり、更にイーサリアムの利便性を向上させることが可能です。
1-2.Zcashとイーサリアム間の非中央集権取引アルケミープロジェクト
Zcashカンパニーの目標は、既存の取引所を通さずイーサリアムとZcash間でダイレクトに、非中央集権な取引を可能とするアルケミープロジェクト(Alchemy Project)というものです。このクロスチェーン技術により、プログラマビリティ、匿名性によるプライバシーを強化することで両者が必要とするアプリケーション開発を自然に促進することです。
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2.ZoEの開発状況
Zcashチームは最初の発表の時点で、Zcashの実装を基にした学術プロトコルを簡略化したバリアントのZerocashを使用した初期のコインミキシングコントラクトをイーサリアムに実装するため新たなzkSNARK検証を使用しこれをBaby ZoEと命名しました。
2-1.Baby ZoEの完成とProof of Concept
Christian氏はZcashチームを訪問した際、cpp-ethereumに実装されたプリコンパイルしたイーサリアムのコントラクトを基にし、Solidityで記述されたzk-SNARKを実装する概念実証を行いBaby ZoEを補完し完成しました。
cpp-ethereumについては下記を参照してください。
2-2.ハードフォークを必要としないZoEの実装
このアップデートにより楕円曲線乗法、加算、ペアリングを追加し、ハードフォークを必要としない高柔軟性と多様なzk-SNARK構造の使用を可能とする残りの実装をSolidityに実装を行いました。
実際にイーサリアムブロックチェーンのテストネット上で正常にZcashトランザクションが匿名性を確保できることをテスト行いました。検証はわずか0.042秒で終了、これを利用することによりイーサリアムのガス費用を現在の費用に比べ大幅に削減することが可能となります。
3.ZoEの応用イーサリアムのスケーリング解決”プラズマ”
ZoEが発表された後、の2017年8月11日にイーサリアムのスケーリング解決策としてプラズマが提案されました。このプラズマにはzk-SNARKが使用されており、マークル演算の結果とともに証明が可能です。
*非対話証明とは検証者と証明者がお互いに解が正しいと判断する必要のない証明。
例:ゼロ知識証明、zk-SNARK
プラズマについては下記を参照してください。
3-1.マップリデュースとzk-SNARK
2015年4月28日に発表された、ZcashカンパニーのAlessandro Chiesa氏とMITの研究であるゼロ知識証明のクラスタ演算によると
「どんなzk-SNARKも分散されたマップリデュースのためのzk-SNARKに変換ができる」
としています。プラズマはこれを利用し、プラズマの子チェーンに少量のETHを保管しておくことによりネットワークへの攻撃を防ぎます。
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